世界で最も重要なビジネス書

Essential Business Books

 使える道具を使わないでおくのはもったいない。地図があるのに持たずに出かけるのは時間の無駄。ビジネス書の場合はとくにこれがあてはまる。本書は筆者の色よりも紹介する数々の本に書かれているメッセージをより際立たせる形で紹介している書評である。

 過去に書かれた本の中には、現代の様子を適格に予測したものも少なくない。これは調査と思考によるものであり、現代の様子を予測できたものがあるなら、10年後、20年後を予測できているものもきっとあるに違いないと感じられる。そしてこれは本を読まぬ限りは、手に入らない。

 章ごとに、「Getting Started」「Contribution」「Context」という三小題に沿って書かれており、この書評を読むだけでひとつの要点は必ず目にすることができる。同時に、抜粋された要点は文として意味を理解することができても、実感する、覚えるにはやはり本書を読む必要があるとも感じられる。

 かなり前に書かれた本も含み、宮本武蔵の五輪の書などもあるのがおもしろい。

 全部で77冊の書を紹介する。

 第一部 思想と人間

 第二部 戦略と理論

 第三部 マネジメントと組織

 第一部、第二部に紹介されている本が、今読みたいと思うものだった。中でも、戦争論、君主論はやはり読まなければならぬのか、と考えさせられる。

 今回特に覚えておきたいと思ったところはこの文章である。

「すなわち、天然資源1単位から得られる富は現在の4倍にまで増やせるということである。これを前提とすれば、人間は使う量を半分に減らしながら倍の暮らしをすることができる、ということになる。」『Natural Capitalism』by Paul Hawken, Amory B.Lovins, L.Hunter Lovins(邦題『自然資本の経済』)

「結局のところ、催行のマーケティングとは、価値を創造し、世の中の生活水準を上げることだ。」『Marketing Management』by Philip Kotler(邦題『コトラーのマーケティングマネジメント』)

邦題『世界で最も重要なビジネス書』

原題 ”Essential Business Books”

Bloomsbuly 著

訳 伊藤真

  高橋貢司

  ㈱トランネット

  沢崎冬日

2003 原著

2005 邦訳

ダイヤモンド社

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